美術部部室の中の人のブログ

アート好きな50代の女のブログです 

とらや「月ヶ瀬」

とらやで、ひさびさに一目ぼれしてしまったお菓子。

月ヶ瀬」。

とらやのウェブで写真を見たときから、「これは!!」と

惚れてしまいました。

https://www.instagram.com/p/Bet68-xB9T7/

とらやの「月ヶ瀬」。梅の名勝地、奈良月ヶ瀬の小川の両岸に咲く白梅をモチーフにしたものらしいけど、私には両岸が雪❄️に見えて、これって東山魁夷の「たにま」みたい!と画集を引っ張り出したwこの季節、雪は降るけど、谷川は流れて、両岸の雪はこんもりまるみを帯びてるのがほんとにかわいい。この両岸を「白梅」と見立てるセンスもすごいけど、川の両岸にこんもり残る雪もイメージさせるし、季節を伝える意匠としてすごいと思う。大正7年作。とらやの意匠(特に昔のもの)には時代を超える「前衛」があって、こういう作品を見るとしびれる。好き#sweets #wagashi #月ヶ瀬 #とらや #東山魁夷 #たにま

 

まっしろな薯蕷饅頭に青い線を一本入れただけ。

それなのに、この季節の「川」をちゃんとイメージさせる。

このデザインのすごさにホント痺れました。

青といっても、水色っぽくて、色の選び方も素晴らしい。

また、おまんじゅうの線のところが少ーしだけ窪んでいて、それがちゃんと「川」を想起させる。

シンプルだけど、ディティールが凝ってる。

味ももちろん素晴らしい。

あんこはみっちり濃厚で、皮とのバランスも最高。

とらやの薯蕷饅頭、ほーーんと美味しくて大好きなんですよね。

ここ何年かのとらやの意匠で個人的にいちばん痺れました。

逸品だと思います。

 

冒頭の写真にも載せた、東山魁夷の「たにま」は、国立近代美術館でも何度か見ていて。私自身、とても好きな作品です。

川の両岸のぽわんと丸みを帯びた雪がホントかわいい。川の流れは意外と速そうで、雪はあるけれど温かみを感じる。まさに今(2月ぐらい)の雰囲気がうまーく表現できてるなあと。この緑と白のコントラストもやさしい感じがして好きです。

この作品には本人が文章を寄せていて、これもすごくいいんですよね。

深々と雪にとざされた谷間に、
ひとすじの小川が流れ出る。
冬の沈黙が、
かすかな、せせらぎの音によって破られる。
ひそやかではあるが、
回生の喜びが、
日一日と雪の谷間にひろがってゆく。

『四季めぐりあい 春』1995年

1953年  上林・野沢温泉の小川の流れをモチーフにした作品とのこと。

 この作品集にも入ってます↓

東山魁夷 (日経ポケット・ギャラリー)

東山魁夷 (日経ポケット・ギャラリー)