とらやで、ひさびさに一目ぼれしてしまったお菓子。
「月ヶ瀬」。
とらやのウェブで写真を見たときから、「これは!!」と
惚れてしまいました。
まっしろな薯蕷饅頭に青い線を一本入れただけ。
それなのに、この季節の「川」をちゃんとイメージさせる。
このデザインのすごさにホント痺れました。
青といっても、水色っぽくて、色の選び方も素晴らしい。
また、おまんじゅうの線のところが少ーしだけ窪んでいて、それがちゃんと「川」を想起させる。
シンプルだけど、ディティールが凝ってる。
味ももちろん素晴らしい。
あんこはみっちり濃厚で、皮とのバランスも最高。
とらやの薯蕷饅頭、ほーーんと美味しくて大好きなんですよね。
ここ何年かのとらやの意匠で個人的にいちばん痺れました。
逸品だと思います。
冒頭の写真にも載せた、東山魁夷の「たにま」は、国立近代美術館でも何度か見ていて。私自身、とても好きな作品です。
川の両岸のぽわんと丸みを帯びた雪がホントかわいい。川の流れは意外と速そうで、雪はあるけれど温かみを感じる。まさに今(2月ぐらい)の雰囲気がうまーく表現できてるなあと。この緑と白のコントラストもやさしい感じがして好きです。
この作品には本人が文章を寄せていて、これもすごくいいんですよね。
深々と雪にとざされた谷間に、
ひとすじの小川が流れ出る。
冬の沈黙が、
かすかな、せせらぎの音によって破られる。
ひそやかではあるが、
回生の喜びが、
日一日と雪の谷間にひろがってゆく。『四季めぐりあい 春』1995年
1953年 上林・野沢温泉の小川の流れをモチーフにした作品とのこと。
この作品集にも入ってます↓