少し前のことになりますが、銀座ポーラビルに入っている厲家菜でランチしてきました。
元夫に、銀座、表参道あたりで1万円ぐらいで落ち着いてランチできる店を教えて欲しいと聞いたら、ここを紹介してくれました。
最初、店内の様子をwebで見たら、「ちょ、ちょっと乙女チックすぎないかしら。。」と思ったのですが、店内に入って座ってみると、これがすごく落ち着く。いいわー。
とっても素敵なお店でした。
席もそれぞれ適度に離れていて、ソファ席が楽、かつ、半個室的な雰囲気で、銀座で落ち着いて食事を楽しみたい方にかなりお勧めです。
で、今回は昼のコース "凝香" 前菜10品、主菜2品、スープ1品、デザート2品を頼みました。
すっごく良かったです!
お料理がひとつひとつめちゃめちゃ手間がかかっていて、珍しいものもありつつ、どこか日本の料理にも通じるものもあり、食べていて楽しかったー。
↓お料理はこんな感じ
中国清代の宮廷料理を今に伝えるお店とのことで、西太后も食べたこんな料理あんな料理が解説付きで次々と供されます。
⇒サービスの方がお料理をサーブするときにお料理のエピソードを説明してくださいます。
西太后は美と健康マニアだったらしく、料理人にも美と健康によいものを命じていろいろ作らせていたようですね。
今回のコースも薄味ながらも旨味で満足なお料理が多かったり、日本の精進料理にヒントを得たお料理もあったりで、強烈なうまさというより、いろいろな滋味をいろいろなエピソード付きで味わって、舌と目と耳と脳?とで大満足という感じ。
同行した友人が、中国でも仕事をしていたり、(コースにふかひれを使ったお料理が出てきたのですが)、フカヒレの加工で有名な気仙沼の仕事をしていたりで、食事と会話がリンクしてたのも最高でした!
で、今回のランチ、自分としてはかなりかなり満足度が高くて、なんでかな?と思ったのですが、やっぱり私にとってレストランで食事をすることは、旅することに近いからかな?と思いました。
私がフロリレージュを好きなのも、そこで食事をすることで、私自身が精神的な旅(traveling without moving)をすることができるからで、私はそのあたりに重きを置いている人なんだな、と改めて実感しました。
食べながら、これは〇〇からやってきた食材で、とか、こういう理由でこういう調理法を選びましたとか。そういう話を聞くことで、精神的な旅を楽しんでいるんですね。
あと、料理に付随する「物語」を味わうのが好きなんだと思います。
今回の厲家菜もそうなのですが、西太后や清朝の宮廷の話等、お料理を食べつつ、私はそのお料理にまつわる物語を楽しんでいる。
それが至福の時間なのです。
そういう意味では、私にとってレストランにいくときというのは、お芝居を観たり、コンサートに行ったり、美術館に行ったりするのに近いですね。
例えば、レストランに1万円出すというと、えー高い!って言う人もいますけど、私はお芝居やコンサートに近い位置づけなので、楽しめるレストランであればそれぐらいはポンと出します。
で、極論を言えば、私はレストランに美味しさみたいなものは求めていないかもしれないですw
ある程度の美味しさは必要だけれど
美味しいはもういい。
美味しいはもう充足している。
物語と、自分が経験したことのない感覚(感覚の拡張)が欲しいのです。
なんだかそんなことに改めて気づいたランチでした。
次回は久々にフロリレージュ(ミシュラン2つ星おめでとうございます!)を訪問予定。楽しみです!
清朝末期といえば、名作「ラストエンペラー」を思い出さずにいられない。
西太后が亡くなるシーンで、口の中に入れている丸い石は翡翠だそうです(お店の人談)
このCMも好きだったなあ。甲田益也子さんが最高に美しい!