少し前のことですが、ピーター・ドイグ展@国立近代美術館に行ってきました。
ニコ生で担当学芸員の解説を聞いてすごく面白かったので↓
これは行かなくてはと思って、足を運んでみたら、
案の定すごくよかったです。
もうドイグについてはいろんな人がいろんな解説をしているので、わざわざ私が色々書くまでもないと思うのですがw
やはり、下敷きにしているというか連想される作品というのがあるんですよね。
#でも、ニコ生での解説を聞くと、ドイグさんは意識的に下敷きにしている風でもなく。。実は無意識かもしれません。なので、「連想」という言葉の方がふさわしいかも。
例えば、ブリューゲルの絵だったり、ミレーのオフィーリアの絵だったり。
もうホントにいろんな絵画のイメージが連想されるのですが。。(これは絵のタッチがかなり影響していると思うので展覧会でぜひ現物を見てほしい)ディティールが独特で、もとになった絵画のイメージ自体が揺らぎ、独特のフィルタを通した世界に誘われるのです。
また本展はキャプションがまた面白くて、キャプションを読みながら、さらにじーっと作品を見てしまうのです。
で、キャプションを読んでそれなりに「作者の視点」も自分の頭に入っている筈なのに、作品を見ていると自分の内面にあるすごく個人的な経験から来るイメージがむくむくと湧き上がり、それらが溶け合うという。。展覧会でドイグ作品をいくつも見ながら、ドイグ作品を切り口にして個人的な経験も混ざる「あっちの世界」にいってしまうという至福の時間。もう、私、あっちの世界から帰ってこれないんじゃないかと思ったぐらいでしたよw
…これってかなり私独自の絵画体験な気がするのですが、他の人はこの展覧会を通じてどういう体験をしたのでしょうか。そこらへんも気になります。
(知り合いが「今度行く」と言っていたので、行ったら感想を聞いてみよう)
あと、今回の展示で面白かったのは、映画のポスター作品。
こんなの描いてたんだ!と驚きました。しかもそのどれもが映画の内容を深く理解した内容で、映画好きにはたまらない。
意外なことに邦画も多くて、特に気に入ったのは以下の3点。
小津の「東京物語」
これが・・・
こうなる↓
「HOUSE」
大林宣彦のデビュー作。子どもの頃にテレビで見て、かなりショックを受けたのを覚えています。
これが…
こうなる↓
「ピンポン」
曽利監督のSFXもいいんですが、細やかな演出や、「才能」と「敗北」というテーマがほんとに素晴らしい傑作です。
これが…
こうなる↓
※写真だとわかりにくいのですが、ラケットにペコとスマイルの顔が描かれています。
今回、グッズがまた素晴らしくて。
これは期間限定で販売された、CINECAさん謹製の「ボンボンアラリキュール」。
ドイグ作品に頻繁に登場するボートをモチーフにしたパッケージがすんごく美しい。
ボンボンアラリキュールは、砂糖でコーティングされたボールの中にリキュールを閉じ込めたもの。
お酒は、ブラダーラックという海藻を使用したクラフトジンを使用。
ドイグの生まれ故郷、スコットランドの最北にある蒸留所のものです。
島が受ける海の恩恵を表現したような、爽やかでちょっとミステリアスな香りが未だ見ぬ旅へと誘う。
…とのこと。
展覧会から帰宅し、図録(あまりに良かったので珍しく図録を買ってしまったんですw)を見ながら、ボンボンアラリキュールを口に含むとほんとに不思議な世界に迷い込んだようで、至福の時間でした。
CINECAさんのスイーツ、今回のグッズで初めて知ったのですが、過去作品を見てすっかりファンになってしまいました。今後、作品の販売があるときはチェックしなくては。
ちなみに、ボンボンリキュールを食べ終えた後は、娘のビー玉置き場にw
展覧会は10月11日まで。
事前予約をおすすめしますが、当日の予約に余裕があれば予約なしでも見られるようです(私が行ったときは余裕があったので入れました)。
かなりおすすめの展覧会です。ぜひ。