美術部部室の中の人のブログ

アート好きな50代の女のブログです 

とらや「東雲」

ひさしぶりにとらやで生菓子を買ってみました。「東雲(しののめ)」。

夜明け一歩手前の東の空の雲。紫と白の染分は、残る夜と明けゆく朝を表したものとか。

このブログでも何度か書いていますが、とらやの意匠は昔のものの方が前衛的だと思います。やってる事が抽象画だし、印象派だし。特にこのお菓子の意匠のすごいところは、紫と白が(上下ではなく)左右に配置されていること。

昔のとらやの職人さんは地動説も理解していたのではないかとすら思わせる意匠。

元禄8年(1695)。はー、すごい。

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東雲は、つくね芋と白餡製。つくね芋が入ったきんとんはとても珍しく、私も初めて食べました。食べてみると、あのとらやのお菓子に使われている薯蕷の味が!美味しかったー。このお菓子は、毎年この季節に赤坂店でだけ販売されていて、販売最終日、滑り込みで買ってきました。買えてよかったー。

 

実は、ここ何日間か、父が亡くなったり、もっといろんな話をしたいと思っていた人に会えなくなってしまって、自分としても「新たな局面だなあ」と思うことが多く、このお菓子の意匠は、今の自分の気持ちにピッタリというか。ぜひ入手したいと思って赤坂のとらやまで行ってきました。

満足。

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そうそう、赤坂とらやのロビーには、雛人形が飾ってありました。立ち姿のお雛さまって珍しくないですか?これは黒川家(とらやの経営者)の持ち物なのかな。凛とした立ち姿がとてもいいなと思いました。

 

店内には雛祭りにちなんだお菓子のご案内が出ていて、ああもうすぐ春だなあと思いながら帰宅しました。