今年もよろしくお願いいたします。昨年はまだコロナ渦ながらも美術館に対する制限もだいぶ緩和されて、多くの美術展に足を運ぶことができました。コロナ渦での美術展の開催はまだなかなか大変だと思いますが、美術展を開催してくれる美術館に感謝感謝です。
iPhoneのカメラロールを見ながら昨年見た美術展を振り返り、ベスト10を選んでみました。
#2022年展覧会ベスト10
— めぐみ (@megkurotsubaki) 2022年12月31日
①クリスチャン・マークレー@東京都現代美術館
②モネからリヒターへ@ポーラ美術館
③柴田敏雄と鈴木理策@アーティゾン美術館
④ 李禹煥展@国立新美術館
⑤香月泰男展@練馬区立美術館
⑥歌枕展@サントリー美術館
— めぐみ (@megkurotsubaki) 2022年12月31日
⑦日本の中のマネ展@練馬区立美術館
⑧観察と発見の生物学@国立科学博物館
⑨諏訪敦展@府中市美術館
⑩国立近代美術館コレクション展(特にリヒター展のときのコレクション展)
①クリスチャン・マークレー@東京都現代美術館
音楽なしに音楽を表現することができるんだ!作品を見ながら頭の中にガンガン音楽が聞こえる。五感を超えた表現に驚き、そして大感動した展覧会でした。やはり藪前知子さんがキュレーションする展覧会は間違いないと確信しました。
②モネからリヒターへ@ポーラ美術館
夏休みの箱根旅行のときに訪問して、あまりに完成度の高い展示に腰を抜かしました。モネ、リヒターはもちろんのこと、アニッシュ・カプーア、二コラ・ド・スタール、ドナルド・ジャッド、ハンマース・ホイ、杉本博司まで。特にハンマース・ホイと杉本博司の展示空間の演出が本当に素晴らしく、至福の空間でした。
モネと鈴木理策さんの作品のコラボが素晴らしいのは想像できていましたが、柴田敏雄さんの写真がまず単体として素晴らしく、それに加えて、アーティゾン美術館の収蔵品とのコラボが想像を絶する凄さで興奮しまくり。素晴らしい展覧会で、思わず2度足を運んでしまいました。
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/539
柴田氏の土木写真と円空の仏像がまさかのコラボ。この発想はなかった…。感動しまくりでした。
直島の李禹煥美術館があまりによかったので、今回の展覧会は行かなくてもいいかなと思ったのですが、「ここでしかできない展示内容」と聞き、行ってみたら、まさにそのとおり。国立新美術館の空間でしかできない展示になっており、感動しました。特に中谷美紀さんの音声ガイドが素晴らしく、シンプルな李禹煥を深く豊かに鑑賞するガイドになっていました。
個人的には風景 I, II, IIIがとてもとても気に入りました。あの蛍光ピンク(赤?)の作品の前に立っていると本当に「温度」を感じ、体温があがるような、不思議な体験をさせてもらいました。
この展覧会を見た日はとてもとても寒い日で、作品を見ながら山崎豊子さんの小説「不毛地帯」の第1部(シベリア抑留の話)が脳内再生され、心に中まで寒さと絶望感が押し寄せてきたのを覚えています。そしてその寒さを引きずりながら2階にあがり2つ目の展示室に行くと、徐々にシベリアが心象風景となり抽象的な表現になり、モノクロの絵に「色」が挿し込まれる。それが例えようもなく美しかったのです。シベリア云々というより、絵として本当に美しかった。最晩年の作品も構成も色遣いもこれは…!と目を引くものばかりで、シベリアというトンネルを抜けて大きく転換しようとして、そこでブツっと断ち切られる。その流れもまたドラマティックというか。展覧会の構成としてもそれがうまく表現されていて、印象に残る展覧会でした。
少し長くなりそうなので、⑥以降は次にエントリで書きたいと思います。