※ブログに記録していないネタがたくさんあるので、今月はどんどんブログに書いて行こうと思います。
2か月に1回ペースでやっている古典を読む読書会、今回の課題図書は、十五少年漂流記&蝿の王でした。
例によって、食事は持ち寄り形式。友人はタイカレー(お子様用には甘いタイカレー)、ビリヤニ、私はコンキリエ(貝殻型パスタ)のサラダと、マドレーヌをもって行きました。
課題図書の十五少年漂流記と蝿の王。まず、十五少年漂流記を読んでから、蝿の王を読んだのですが、もう圧倒的に蝿の王が面白かった!
十五少年漂流記は、確かに面白いのですが、清く正し過ぎるのが鼻につき、蝿の王の方が面白いわーと思うあたりに「大人になった穢れ」が感じられて、この2冊を一気に読んで良かったなと思いました。
「蝿の王」は、もういろんなところで引用されていて、一度は読んでみたかった作品でした。一番最初に知ったのは「少女革命ウテナ」。確かテレビシリーズの後半。劇場版にも出てきた気がします(幾原監督自身「蝿の王」がすごく好きなのだそうです)。興味はあるものの、タイトルがタイトルゆえ敬遠していたのですが、ウテナを見てから20年近く経ってようやく読むことができました。
ええ、めっちゃ面白かったです。
だって、メガネデブで弱気な男の子に「piggy(こぶたちゃん)」という名前を付ける辺りからして、いたたたた・・・。
あと、子供たちの迷彩メイクですよね。
メイクをしている=自分自身が仮面をつけているってことですから、残虐さが増す。
(ネタバレになりますが)殺人も起きる。
子どもたちの残虐な内面をよーく描いていて、実に面白かったです。
私は新潮社の新約版で読んだのですが、黒原敏行さんの訳、すごく読みやすかったです。&あとがきがよかったなあ。
印象的だったのが、作者のゴールディングの話。ゴールディングはもともとは教師なのですが、高校生だったか中学生にこの「蝿の王」の演劇を演じさせたそうです。
そのときの生徒たちの反応が印象的で
「楽しかった」
と。
このときゴールディングは心の中でガッツポーズをとっていた気がします。
うん、眼に浮かぶ。
この残虐さって、人間が誰しも…特に思春期の子供たちのゆらゆらとした情緒の中に確実に存在するものなんですよね。
顕在化しているかしていないかの差はあるかもだし、
そんなことは考えてはいけないと、ねじふせているかもしれない。
でも自分の内面にその存在を発見したときに、どうハンドリングするのか。
大人であれば、それをうまくハンドリングできると思う。でも、子どもだとそうはいかない。うまくハンドリングできないかもしれない、モンスター化してしまう可能性もある。
そういったものを、虚構(演劇)の世界で子どもたち自身に顕在化させて、向き合わせたゴールディングさん、やっぱすごいなと思ったし、子どもたちの「楽しかった」という感想が、「蝿の王」に描かれていることが普遍的だということを確信させてくれて、なんかすっごくいいあとがきだなと思いました。
蝿の王は、2度ほど映画化されています。
これはピーターブルックが映画化した「蝿の王」。
ジャケットは楳図かずお先生!
いわずもがな、楳図先生の漂流教室は「蝿の王」から影響されて描いた作品ですからね。
しかし、ジャケット怖すぎw
実はまだ映画版は見ていないので、週末にでも見てみようかな。。