美術部部室の中の人のブログ

アート好きな50代の女のブログです 

「ドライブ・マイ・カー」

昨年から話題になっていた「ドライブ・マイ・カー」をやっとこさ見てきました。

dmc.bitters.co.jp

既に、DVDも発売されているのですが、これはぜひ劇場で見ておきたいなと思って、娘が学校に行っている間に、映画館で鑑賞してきました。

ええ、評判通りの傑作でした。

脚本よし、演出よし、撮影よし、役者よし、全部よし。

最初から最後まで、全部私の好きな世界が展開され、

3時間の長丁場、静かな中に「ええ?!」という事件もあり

見る側を飽きさせないテンポもあり。

 

何よりもあの車、赤い「サーブ」が素晴らしい。

 

完璧すぎる映画。

 

各場面にリンクするワーニャ伯父さんの台詞と演出にもしびれました。

※事前に「ワーニャ伯父さん」を読んでおいてよかった!

 

何よりも村上春樹的な世界がほんとうに静かにセンスよく表現されていて、村上春樹ファンとしても、最高の3時間でした。

 

いやー、この作品ならアカデミー賞もかなりいい線行けるのではないかと思っています。

細かいことですが、チェーホフ戯曲の現代的解釈で一番好きなのが、劇団青年団の「アンドロイド版 三人姉妹」でして。以前、劇場で見て、良かったんですよねえ。

※設定が近未来。石黒研究室のアンドロイドが登場します。

DVDにもなってます。Amazonはめっちゃ高い値段がついているので、青年団のオンラインショップのリンクを貼っておきます。

komaba-agora.com

 

その「三人姉妹」に出ていた、松田弘子さんが、「ドライブ・マイ・カー」にも出ていて、「うわ、濱口監督も見てたのかな~、三人姉妹」と思ってみたり。

 

細かいところまで、私のツボ過ぎて、久々に私の中で大大ヒットな映画でした。

 

 

村上春樹作品を映画化した作品はたくさんありますが、ドライブ・マイ・カー以外でお気に入りは、やはり「トニー滝谷」でしょうか。原作も好きなんですが、映画がまた素晴らしい。宮沢りえの美しさ、坂本龍一の音楽の美しさ、市川準の撮影の美しさ。ため息が出ます。