今回の展示は第1部(白井晟一の主な仕事を図面や模型、写真等で紹介する展示)を踏まえての、「白井の代表作である松濤美術館そのものをご覧頂きましょう」というコンセプトの展示だったんですが、そもそも、学生時代から白井晟一って苦手意識がありまして…。しかも、建物だけまるっと展示かーとあんまり興味なかったのですが、行った人がみんな「良かった~」というので、日曜に予約を入れて見てまいりました。
ごめんなさい。
めっちゃ良かったです!
階段とかも、普段展覧会で来るときは気にしていなかったんですが、ディティールめちゃきれい。つか、白井晟一ってかなり階段好きですよね。
照明や彫刻の配置も白井晟一自身が選んだものとか。
どこも面白かったんですが、一番良かったのが二階のサロンドミューゼ。
もう極上空間過ぎました。
調度品もすべて白井自身が選んだもの。
以前はこのスペースでコーヒーが飲めたとか。うわー、当時ここで飲みたかったな。
ソファがとっても座り心地よく、この空間よかったなあ。
(ここでコーヒー飲みたかった←まだ言ってるw)
確か普段は渡れないブリッジも開放。
丸窓からの景色。
普段展覧会を行うときは、ホワイトキューブにしたいから、中庭に面しているところは全部カーテンを引いてしまうんですよね。中庭を望む風景がこんなに美しいなんて初めて知りました。
実は、金土日に建築ツアーをやっていて、ぜひ参加したかったのですが、コロナのため
開催中止。残念!館長室、見たかったなあ。
コロナが少し落ち着いてきたらぜひツアー再開してほしいです。
むかしは白井晟一ってあんまり好きじゃなかったのに、今見るとほんといいなあと思います。年をとると自分自身も変わるもんだなと思いつつ、当時、白井晟一のことをあまり好きになれなかった理由もなんとなく分かりました。
何というか…こだわりすぎて意味不明なほど重すぎる重厚感。濃厚さ。
例えば、中庭のブリッジの距離とか中庭に対する曲面のきつさとか。なんでこんなに無理やりぎゅうぎゅう詰め込むの?とか。学生時代、はじめてこの美術館を訪れたときに感じたことを思い出しました。
で、白井晟一やっぱ面白いなあと思って、先週の日曜に日曜美術館で放送された「白井晟一特集」を見てみたんですが、これまたすっごく面白かったです。
https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2022012306314
さすがNHKの取材力。
佐世保の親和銀行、こんな巨大な建物だったなんて知りませんでした。内部もしっかり見せてくれて、しかも紀里谷さんの(素人ながらもツボをついた)感想が良かったな。過去の住宅作品もしっかり取材してたし、白井晟一事務所のOBや藤森先生へのインタビューも良かったし。これDVDとかで売れるレベルの内容だと思いました。
(取材に半年ぐらいかけたそうです。すごい…)
改めて思ったのは、白井晟一の孤高さ(というか独特さ)。こだわりすぎだし、重厚濃厚過ぎて、こりゃ大変だわ…と。
→白井晟一って神格化されそうな面も持っているけど、藤森先生の証言(トレンチコートの話)が一番本質をついている気がしましたw
番組を見て改めて、私が学生時代に白井晟一のことを苦手に思っていた理由
「何というか…こだわりすぎて意味不明なほど重すぎる重厚感。濃厚さ。」
が確信に変わりました。
ほんとこのこだわりすぎて意味不明なほど重すぎる重厚感。濃厚さ。
唯一無二だと思います。
NHKプラスの配信は1月30日までとのこと。
興味がある方はぜひ!
展覧会も1月30日まで。
展覧会の図録、Amazonでも売ってたのでリンクしておきます。
そうそう。
最近、松濤美術館や、Bunkamuraギャラリー行くと東急本店近くのヴィロンに立ち寄るのが楽しみです。お気に入りはバゲットと、クレープ(の皮だけ)。クレープは、バゲットにもつかわれているレトロドールを使ったもので、皮だけすごーく美味しい。ほんとは美術館の帰りにどこかのカフェで休憩して帰りたかったのですが、この状況(東京の感染者1万人超え)ではちょっとやめといた方がいいな…と思いまっすぐ帰宅。
帰宅後おうちでチラシなど見つつ、クレープをもぐもぐしました。