ちょい前のことでしたがクリムト展@東京都美術館に行って来ました。
良かったーーー。そんなにクリムトが好きではない私もかなり満足。
特に後半に展示されている作品が良かったなあ。
悪くて、魔性があって、化け物性があって。そして、美しい。
(この美しさについては色々思うことがあったので、後半でも書きます)
個人的に印象的だったのは、いろいろありますが、まずは「ベートーベンフリーズ」。
複製でしたが、かなり精度が高くて、しかも空間ごと再現されてて、見ていて気持ち良かったなあ。特に最後の合唱の部分で、イヤホンガイトで合唱聞きながらこの部分を鑑賞できたのが良かった。鳥肌モノでした。
ベートーベンフリーズは、もうとにかくデザインというかグラフィックとして面白いんですよね。絵画でありながら、こういうデザイン的なことをやってるのは、ウィーン分離派からの流れなのかな・・・日本の着物や絵画からの影響もあると思うのですが、デザイン好きな人間からするとめちゃ痺れます。
あとは、「ユディト」。
旧約聖書のユディトの物語を知っていれば、ユディト=女傑という感じなのでしょうが、クリムトのユディトはそうではない。。
だって、この恍惚の表情!
ホロフェルネスの首は、この女の残酷な美しさを際立たせるための添え物でしかないです。。もうただひたすらに美しい。
で、展覧会の最後の方に来ると「女の三時代」
なんかこう女としてはグっと来る作品ではあるけれど、ここまでリアルに女の内面に迫っているクリムトってどんなおっちゃんやねん?と画像検索してみたら。。
このおっちゃんでした。
クリムトさん、自画像はぜったい描かなかったそうです。
(なんか分かる)
で、クリムトさんが描く女の人は何でこんなに綺麗なんだろう?
なぜこんなに女がグっと来る絵を描くのだろう?
だって、ユディトの肌の描き方なんかもすごいんですよ。
これは画集なんかでも分かるレベルなんですが、例えば、ユディトの肌とか肌色に塗ってるわけでないんです。何色かをペタペタとおいて、頭(人間の眼)で混ぜる描き方をしてるんですよ。
その方がベタで肌色を塗るより透明感というか奥行が出て肌がきれいに見えるんです。
理論的なことはPOLA化粧品のディエムクレールという化粧品の説明に書かれているので貼っておきます。
↓こっちの方が、ユディトの肌の色に近いですね。
なんでこんなこと分かってるのか?クリムトさん。
女子力高すぎないですか。
と思ってハっとした。
この話、ちょっと長くなるので、別エントリに書きます。