ルート・ブリュック展@東京ステーションギャラリーに行ってきました。
いやー、すごくよかったです。
日本では知名度が低いものの、フィランド本国では国を代表するアーティストとか。
ほとんど予備知識なく展覧会に足を運び、
最初は、宗教とか絵本とかの世界で、ああ可愛らしいなあと思っていたのですが
ルート・ブリュックのお父様の専門でもある「蝶」の作品を経て、
後半、思い切り抽象的な作品に行ったあたりから、おおおお!と。
これは一体なんだ?!
ルート・ブリュックの陶器の半立体の表現、
凹凸による陰影(および光)の表現
色の表現。
すべてが未体験。
こんな表現があったのか、新鮮な感動を覚えました。
実は、この展覧会、ツイッターで割と話題になってて。
みんな、写真付きで絶賛するツイートしてるんだけど、口をそろえて言うのが
「写真では良さが伝わらない!」
ならば見るべし!と、展覧会に足を運んだわけですが、見て納得。
この色、このテクスチャ、この光。
2次元の写真では上手くとらえることができないのですよ。
おそらくルート・ブリュックの作品は、写真では抜け落ちてしまう画素(陶器作品ならではのテクスチャとあいまった色味、光)や、鑑賞者が移動することによって感じられる3次元的な反射光の移ろいなどが、渾然一体となって、脳みそで像を結び感動するから。
展覧会を見ながら、眼が、脳が、嬉しがるのが分かって。
かなり新鮮な体験でした。
&そういう新鮮な体験に感動してる自分自身も非常に面白かったです。
というか、スマホやPCの画面で見る画像に自分がいかに慣らされてしまっているか実感しましたね。
余談ですが、
ルート・ブリュック展って、自分個人の感覚としては、ツイッター等の口コミで人気に火がついた感覚があります。
まあ、みんな実際の作品を見るとびっくりしますよね。で、すごいすごいって写真付きでツイートしてて、でも、その写真を見ても、展覧会に行ってない人は何がすごいのかさっぱり分からない。で、どれどれ見てみるかと思って見に行くと、なるほど!と思う。で、写真付きでツイートする(以下、ループ)w
写真の画素に落とし込めない感動があるからこそ、写真によるSNSの拡散が非常に効果的だったというか。
最近流行りの「インスタグラムに載せてください!」とキャンペーンをやってる某美術館とは正反対の方向で成功してるのがまた面白かったですw
本筋に戻って・・・
あと、後半の抽象作品面白かったのは、タイルのカクカクっとしたデジタルな形を手作りのしかも半立体の美しい造形で見せているということ。
手作りの半立体ピクセルによる表現とでも言いましょうか。
↓これはルートブリュックの娘さんの作品なのですが、雰囲気が似ているので参考として貼り付けておきます。
以前、落合陽一さんが「魔法の世紀」で「貴婦人と一角獣」を世界最高のピクセル表現と言っていましたけど、ルート・ブリュックの作品(特に後半の抽象作品)をみながら、それに通じるものがあるなあと。
メディアも対象物も全然違うんですけど、アナログなデジタル表現をしてる大物作品に久々に出会った気がします。
あと、今回の展覧会では展示されていなかったのですが、かなり心ひかれたのは遺作である「流氷」。白いタイルの凹凸、色味、陰影。写真(映像)で見るだけでも美しい。
いつか、本物を見てみたいな。
実は2回見に行って、2回めにグッズも買いました!
HIGASHIYA謹製の落雁。ルート・ブリュックのモザイク作品をモチーフにしたものです。
ルート・ブリュックの娘さん(日本文化に詳しい)が、アイディアを出して商品化したものとか。めちゃキレイ。
さすがHIGASHIYA。パッケージもおしゃれ!
今朝、お茶と一緒にいただきました。和三盆の上品な甘さがお茶と相性ぴったり。
美味しかったです。
そうそう、ステーションギャラリーの帰りは、定番のトラヤトウキョウ。
いつもの、フィリップワイズベッカーさんの絵が見える席でゆっくりお茶タイム。
展覧会のちらしやポストカード等を見ながら展覧会の余韻に浸るのは至福の時間です。
母へのお土産も。ポワールキャラメル羊羹。パリ店限定品ですが、特別にトラヤトウキョウで買えます。私も食べたことがありますが、香りがふわーと来て、ホントに美味しい。おすすめの逸品です。
ショッピングバッグもおしゃれ!
ルート・ブリュック展は、6月16日まで。先週の日曜に行ったら、大変な混雑でした。
行くとしたら、早めの時間または閉館間近を狙って行くのがよいかと。
なにせゆっくり見ないと面白さ半減の作品ですから。
展覧会は、今後、伊丹、岐阜等を巡回するようです。お近くで展覧会が開催されるようでしたらぜひ。おすすめの展覧会です。