とらやの羊羹デザイン展@虎屋 赤坂ギャラリーに行って来ました。
リニューアルした虎屋赤坂本店、併設のギャラリーの1回目の展覧会は「羊羹」のデザイン。
虎屋秘伝?の菓子見本帳を、その解説ともに壁面にズラーッと並べた展示。
地味めの展示かなあと思っていたのですが、その絵の美しさ、過去に自分が食べた羊羹のデザイン(見本帳にはこう描かれているけれども、実際にはこうだったとか)も蘇って、大変に面白い展示でした。
こうやって見本帳を見てみると、とらやのデザインがいかに前衛的か分かります。
↓「夕立」もとても好きなデザイン。2年ぐらい前の夏に実際に販売されました。
↓先日食べた御好生田森も
見本帳だとこんなデザイン(真ん中のデザインです)。
※生田森だけでも3種類もデザインがあるのにびっくり。
これなんかもよかったなあ。「菊重」。これは装束の「重ね」をイメージしたものとか。でも、単純に抽象画、デザインとして見てもとても素敵。
これ、どこかで見たデザインだなあと思ったら、レザンファンギャテの原口シェフのテリーヌ!
※原口シェフ、もしかしてとらやの羊羹をモチーフにしているのかしら・・。
とらやの場合、デザインを見てもモチーフが分からないこともあるし、モチーフ(テーマ)を知ってデザインを見ても「ええええ!」こう来る?というデザインもあるし、もうホントに攻めてるデザインで。
とらや自身もそのことを踏まえての展示がとてもよかったです。
↓これは「花筏」をモチーフにしたデザイン。
驚きのデザインは色々ありましたが、個人的に一番驚いたが「新鯨羹」。
えええ?鯨?
黒は鯨の皮、白は脂肪。
ああ、なるほど。
でも、なぜに鯨なのかと思ったら、「鯨の肉は滋養がつくものだけれど、入手困難なのでそれに似せたお菓子を作りました」とのこと。
なるほど。
羊羹も、もともと羊の羹(あつもの)に似せて作られたものだから、鯨羹はありだな・・と。
で、とらやの鯨のお菓子のことを調べてみたら。ありました!
むかし、鯨餅を作ったことがあったんですね。
リンク先に紹介されている「鯨餅」はかなり鯨っぽいですね。
このデザインさすが。
羊羹のデザインのモチーフになっている場所をマッピングしたものや
見本帳(現物)など
もちろん羊羹現物もあります!
ネットで調べたところ、羊羹(現物)の展示はときどき変わるらしいです。
何度か足を運びたくなりますなあ・・・。
で、ひとしきりギャラリーの展示を楽しんだあと、2階の販売所に立ち寄り買ったお菓子がこちら。
霜の葉。
霜にあたって表面が紅色に変わった葉をモチーフしたものとか。
白、赤、緑の組み合わせは西洋的なクリスマスカラーにも通じるし、今どきの季節にぴったり。
薯蕷もちもち、羊羹部分とのバランスも素晴らしく、かなりかなり美味しいお菓子でした(おすすめ)。
-12/15迄の販売。
駆け足で、店内も一回りしてきましたが、すべての空間がゆったりと設計されていて、本当に贅沢な空間です。
ああ、これってどういうコンセプトで作られたんだろう?と
とらやのwebサイトを見てみたら、虎屋社長の黒川氏のメッセージが載っていました。
ちょっと、というかかなり感動。
次回ぜひ赤坂本店の虎屋菓寮にも行きたいと思います。