MOTコレクション展 Journals 日々、記すに行ってきました。
最近のMOTコレクション展、とにかく古い収蔵品も含めて量で勝負するようなところがあったんですが、今回はテーマ(オリンピック、コロナ、震災など)に絞り込んで展示していて、めっちゃ良かったです。公的な美術館でありながら、「公」を批判することにひるまない、「本来、美術の表現は自由なものであり、それは公立の美術館でも然り。今、我々が伝えるべきことを伝える」という姿勢がはっきり見られてて、見ていてほんと気持ち良かったです。
本展、オリンピック、コロナそのものをテーマにした作品もあったのですが、個人的にぐっときたのが「日常」をテーマにした作品。例えば、蜷川実花さんのコンサートの群衆を撮った作品も、もはや当時とは意味合いが違う。「失われてしまったもの」を見ているようで、心の中になんとも言えない気持ちが湧き立ちました。
この花火の写真も然り。華やかで、美しければ美しいほどぐっと来ます。花火大会を見たのが遠い過去のように思える…。
あと、三宅砂織さん、照屋勇賢さんの作品も良かったですねえ。三宅さんの作品はベルリンオリンピックに参加したある選手の撮影した写真をもとにした作品ですが、かつての東京オリンピック、今回の東京オリンピックとも重なりましたし、いまちょうどDVDで見ているドラマ「いだてん」でベルリンオリンピックの話が出て来るので、余計に良かったなあ。
照屋さんの作品も、キュレーターの趣旨としては「日常」なんだろうけど、袋にうっすらオリンピックのマークが見えたりして。意図したものかは不明ですが(たぶん意図したものだと思うけど)、細かいところまで凝っててしびれました。
コレクションの最後は、いつもどおり宮島さんの作品。いつ見ても美しい。
MOTコレクション展は10月17日まで。
マーク・マンダースの展示については次のエントリで。