国立近代美術館でMOMATコレクションを見て来ました。
前から思っていたことなのですが、国立近代美術館って企画展がいまいちでも、コレクション展がほぼ間違いなくいいんですよね。なので、企画展がいまいちでも、コレクション展を見れば満足度120%。
(某美術ブロガーの方も同じことを仰っていました)
なので、結論からいうと
MOMATコレクション、いつ行っても間違いなく楽しめます。
昔はそんなに面白いと思わなかったのですが、自分が大人になって美術を見る目が養われたせいか、それともキュレータの方の作品選び、演出がいいからのか(ちなみに作品に添えられたキャプションもすごくいい)、観てるとほーーんと面白い。
大好きです。
で、いまコレクション展で何が展示されてるんだろう?と思って調べてみたら、奈良美智さんの「ハームレスキティ」が展示されているらしいので、娘を連れて行って来ました。
しかも、この日は月イチの無料観覧日。
これだけすばらしいコレクションを500円で見られるってだけで、驚きなのに、「無料」。ありがたい・・・。
で、展示を見て来ましたが、今回もかなりかなり面白かったです。
しかも、日曜だというのに、無料だというのに、空いておりました。最高です。
今回は娘を連れて行ったので、美術館から子供向けのガイドブックをいただきまして(近代美術館は毎回子ども向けのガイドブックをくれる)。
ワーク形式になっていたので、私は私の観たい作品を楽しみつつ、ワークで取り上げている作品は娘とじっくりと鑑賞する、という感じで鑑賞していきました。
まずは最初のフロア。「ハイライト」コーナから。
このハイライトコーナは美術の教科書に載っている有名作品が多いです。
岸田劉生の「道路と土手と塀」。
これは、トーハクの「日本美術誕生」展でも見た作品で、娘も「あー、これ見た!」と言ってました。これもキャプションがすごくよくて。
確かに、左の壁と右の壁の消失点が違っていたり、坂道が手前側にもりもりっと来る書き方になっていて遠近感が面白い。あと、なんといっても、右側の影(電信柱の影)。そして、地面の草のリアリズム。面白いです。
和田三造の「南風」。中心の男性の「どやマッチョ(西洋絵画かぶれ)」加減がたまりません。
あと、川端龍子のこの作品もよかったなあ。
さて。娘の書いたワークの結果。
セザンヌの「大きな花束」。
どのように描きましたか?という質問に対し
「見ながら」
これ、ある種、セザンヌの作品の核心を突く回答だなと思いました。
セザンヌはキュビズムの先駆け。いろいろな方向から見たたものを一つの絵画に合成してしまうっていうのを最初にやった人ですから。
(上記の内容を娘に説明したので、この回答を書いた気がします)
岸田劉生の「道路と土手と塀」。
この道の先にはどんな世界が広がっているのでしょうか?という質問に対し
「いきどまり」
母さん、驚いた。
坂の上の雲。その先は「いきどまり」。
そのセンスに脱帽した。
司馬遼太郎先生にご報告したいぐらいだわ。。
アントニー・ゴームリーの「反映/思索」
何を話しているでしょう?という質問の回答は、実にイキイキとしたものでした。
長くなりそうなので、続きは別エントリで。