美術部部室の中の人のブログ

アート好きな50代の女のブログです 

埼玉県立近代美術館コレクション展に行ってきました

娘が塾のテスト等で不在のときは、私にとっても貴重なリフレッシュタイムなので、積極的に美術館に行くようにしています。

→行くと、娘に「まま、ずるい」とブーブーいわれるんですがw

 

先日、久々に浦和の埼玉県立近代美術館まで行ってきました。埼玉県立美術館は、10年前の草間彌生展以来でしょうか。北浦和公園の中にある、とても素敵な美術館です。

コレクションもすごくいいんですよね。小村雪岱、モネ…。あと椅子コレクションも!椅子に関しては多分国内トップぐらいのコレクションだと思います。

 

ゴールデンウィーク、お天気のいい日に公園内を散歩して、素敵な美術館でゆっくりする。特別な企画展はやっていなくても(というかむしろやってない方がよい)、ただリラックスしたいなーと、ちょっとした遠足気分で行ってきました。

 

で、今回みたのはこのコレクション展。

pref.spec.ed.jp

 

設計は黒川紀章先生です。

 

ロビーに入ってまずは、久々の椅子コレクション。以前は、床を置きされいて自由に座ることができた気がするのですが…。コロナ対策か作品保護のためか、ほとんどの椅子は台の上に置かれています。

今回のコレクション展ですごーく良かったのが「デザインで語るユートピア─1960-70年代イタリアから」。

埼玉県県立近代美術館の椅子コレクション(60年-70年代)をふんだんに使った、この美術展ならではの展示です。ここに展示されている椅子は本などでかなり知っていたけれど、やはり現物はいいですね。美しいです。

この時代の椅子は化学繊維や合成樹脂を使ったものも多いのに、このコンディションのよさ!この美術館が大事に大事に保管してきたことが分かります。

右上はブロウ。これまだ生産されているらしいです(すごい)。

左上は、ガエターノペシェのドンナ。いまさらながら、この椅子は女性の身体をモチーフにしていることに気付きました。官能的…。女体の上に座るわけですね。

ちょっとだけアレンジョーンズの家具を連想↓

note.com

 

写真撮影不可だったので、ここには掲載できませんでしたが、60年代から70年代のユートピアのイメージ図?の展示が良かったですね。ああ、なるほど、この未来イメージからこういう家具が作られたのか、と。このイメージ図がもうまさしく私が子供のころ、父(建築家)の書斎で見てきたものだわー、懐かしい。そういえば、10年前に草間彌生展に行ったときは父も一緒だったわー。そういえば、お父さん、むかし黒川事務所で働いていたんだよね~とかいろいろ思い出しました。

 

あと、埼玉県立美術館といえば、小村雪岱。今回のコレクション展では小村雪岱コーナーも充実していて小村雪岱好きの私には堪らなかったです。

 

私が小村雪岱を好きになったきっかけもこの埼玉県立近代美術館での展示でした。最初ジェームズ・タレル展で来て、そのときのコレクション展で見て、ああ好きだなあと思って。その後、この美術館で「小村雪岱展」を見て、そのとき山下裕二先生の講演も聞いて…。

ああ、改めてこの美術館でほんと素晴らしい展示をたくさん見てるなあと。

 

モネもルノアールも。

そして、あまりに知られていないかもですが、黒川先生の中銀カプセルタワー(先日取り壊されてしまいました)のカプセルのプロトタイプがあります。

中銀カプセルタワーのファンはたくさんいると思われますが、ここ埼玉ではまったくファンらしき人はおらず…休日この公園に来ている人もまったく興味ないようで、公園内の人に全力で無視され、公園内の原っぱに、ポツーンと佇んでおりました。

 

おおおお!あったあった!と駆け寄るわたしw

ああもうグレアがひどくてうまく撮れない!向こうの団地の方がはっきり写ってるぐらい…。嫌になっちゃう。

帰りに美術館内のレストランに立ち寄ろうと思ったのに、ラストオーダが意外と早くて行けなかったのが残念ですが、よい休日を過ごすことができました。

 

しかし、改めて、美術館のコレクション展だけを見に行くのってほんといいなーと。企画展をそんなにがんばらなくても、美術館それぞれいいコレクションを持ってますからそれで良い展示が組めるはずだし。

そんなことを考えながら美術館を後にしました。

また行きまーす。

 

 

いま話題のスパイファミリーの表紙も名作椅子ですよね!