美術部部室の中の人のブログ

アート好きな50代の女のブログです 

落合陽一さんの写真展「質量への憧憬」に行って来ました

落合陽一さんの写真展 「質量への憧憬」@天王洲アマナスクエアに行って来ました。

実は見てすぐにブログに書こうと思ったのですが、何だろう?この展覧会を見たら本当にいろんなことが心の中に湧きあがって、頭の中をよぎって。そのもやもやをうまくまとめることができなかったんですよね。。

でも、それぐらい、自分の心にいろんなものが湧きあがる面白さは保証つきです。明日(2/6)までの開催ですので、お時間ある方はぜひぜひ足を運んでいただきたいと思います。会場もすっごく素敵です。

 

***

まず会場入ってすぐ。前回の展示でも出ていたフレネルレンズの窓。今回は障子のような仕上げです。ギャラリーからの風景がモザイクのように変換されてて、きれいだったな。

以前から落合さんのインスタグラムの写真が好きでフォローしておりましたが、その中でもかなり好きなシリーズが「窓」。これはたぶん台風の日に新幹線の窓から見た景色。モノクロ、窓ガラスの滴、ぼやけた風景。大好きです。

これもすごく好きな作品。空の青さと室内の暗さ(黒さ)のコントラストが美しい。

窓コーナは全部エモかった・・。大好き。

これも萌えたなあ。

電線、鉄柱。鉄骨電線感がたまらないです。 

落合さんのこのシリーズ。まず連想したのがエヴァンゲリオン等の庵野作品に登場する電信柱。 

 この写真とかめっちゃエヴァ感ある。

 

これなんか極め付けだよね。

あと、先日森美術館で見た会田誠の≪電信柱≫然り。

f:id:meg0122:20190205190158j:plain

山口晃さんも電信柱をモチーフにした作品を作っているし。

↓メゾンエルメスでの展覧会のタケさんの記事。

bluediary2.jugem.jp

 

電信柱って日本独自のエモさがあるなあ、と改めて思いました。

あと、これもよかったな。菊の花。上田義彦級の重厚さ、濃厚さ。

 

 

玉ボケシリーズもよかったなあ。

あと、このおみくじの重量感!思念の質量ずっしり。

 

 

 ナムジュンパイクへのオマージュもあり。

お土産に写真を2枚購入。

1枚目は信号の写真。千代田区のどこかだと思うんだけど、かなりじっと見ないと信号をとりまく風景が見えないんだけど、見えると、なんだかリンチの「ロストハイウェイ」の世界に引き込まれるような感覚に襲われるんですよねw 好き。

2枚目は飛行機の写真。どこかの地方都市かしら。

***

あと、展覧会を見ながら思ったことを色々とメモしておきます。

以前からインスタ等で見て好きだった写真がホントにきれいなプリントで見られて至福でしたが、展示が壁の上部までびっちりというスタイルだったので、上の方の写真を見られなかったのは残念だったかな。

うちの娘はおちびたん(落合さんの息子さん)が大好きで、おちびたんの写真が上の方に展示されていて、よく見えないとぶーぶー言っておりました。あと全体的に暗くて大人っぽい写真だったせいか「前の展覧会で見た鯖※の方がよかったよ」とのこと。

※前回の展覧会で展示されていた落合さんの鯖の作品。空と海を擬態した鯖を超高精細で印刷したもの。スーラの点描画のように美しかった

まあでも、展覧会オリジナルコーヒーは大変気に入ったようで

「コーヒー、おいしかったね~」と言ってました。

私もおいしかったと思います。

あと、今回の写真展で展示されていた膨大な数の写真。これが、理屈ではなく「落合陽一的ものの見方、見え方」を感じさせるものになっていたのがすごくよかったな。

たぶん落合さんの一般的なイメージって、ヨウジの黒い服を着て難しいことを言ってる人っていうのがあると思うのですが、実はそうではない。

独自の感性でモノや世界を見ていて。それが今回の膨大な写真を見ることで、鑑賞者自身の中にぼわっと浮かびあがる。そういうちょっと特殊というか不思議な展覧会でもあったと思うのです。

これは、(ちょっと語弊があるかもしれないのですが)あるマイノリティのモノの見方、感じ方を360度展開で2次元の膨大なアート作品の集合で提示した、とも解釈できるなあと。

→アナログなVRの方が、自分自身の中にリアルに浮かびあがるのかもしれないです。

彼の見る世界は(眼の中に入れたレンズのせいでしょうか?)こんなにも暗い。でも、この暗さの中でとらえた光のつぶつぶのようなものは、確かに感じられるし、感動するんですよね。

 

いまインスタグラム等で注目を集める作品は、そこにある「光」に吸い寄せられたものだと思います。一方、落合さんの作品はそこかしこにある「光」を拾い集めているような。真逆の作品。でもそれでいて「魅せられる」し、感動する。その感性を呼び覚まされること自体にもちょっと感動してしまう。

そんな展覧会だったと思います。

今回なんだかまとまりのない感想になってしまいましたが、展覧会はホントおすすめです。

imaonline.jp