今年のベスト展覧会を考える季節になりました。
自分の写真フォルダを見ながら、あの展覧会もよかったこの展覧会もよかったと思いつつ、自分のブログに記録していないものも多数あるのを反省する季節でもあります。。
なんだかんだで、自分のブログって自分でも結構活用しているんですよ。
あのときのあの展覧会ってどうだったんだっけ?とか。自分で自分のブログのエントリをよく検索してますw
なので、やっぱり印象的だったものは書いておこうと。
もう展示期間を過ぎてしまいましたけど、今年見て印象的だったものをブログに書き留めておこうと思います。
※今週あと1本ぐらいはアップする予定。
まず、武田鉄平さんの個展「Paintings of Painting」。
確か、青い日記帳のたけさんのツイートを見て、駆け込みで見てきたんですよね。
まず、SNSの写真で見た作品群が面白くて。
最初、単純に絵としてすごくいいな、と。
フランシス・ベーコン、五木田智夫さんの作品っぽい感じもしつつ、「これってどうやって描いてるんですか?」とギャラリーの人に聞いたところ、おっそろしく手間がかかってて驚きました。
まずスケッチを何枚も描く。そしてそのうちのいくつか「絵として認められたもの」を画像データとしてPCに取り込み、ソフトウェアで加工を施す。そしてその画像データを参照しながら、絵の具を使って作品を描きあげる。(上記のweb版美術手帖の記事より)
近寄ってみたところ↓
近寄ってみたところ↓
近寄ってみたところ↓
さらに近寄ってみたところ↓
面相筆で描いているそうです。
武田鉄平さんの作品は、こんなにぐしゃっとしてる風なのに、全体としてはどんな具象画よりも肖像の雰囲気を捉えているように見えました。
上記の作品制作方法で作品を描くときに作家が捨象した筈のものが、私たち鑑賞者にすっごくリアルに蘇る気がしたんですよね。
何というか
「私たちは絵に何を見ているのか」を問いかけるよう作品で、
自分としてはかなり衝撃的な鑑賞体験でした。
抽象画をディティール詰め詰めにして描いてると、かえって浮かび上がってくるものがある。
描いてあるから見えるもの
描いていないことで見えるもの
いろいろなことが頭をよぎったのを覚えています。
作品として特に気に入ったのはコレ↓
あと、コレ↓
あとこれも↓
いずれも、こんなにぐしゃっとしている風の作品だけど、元の絵や写真が目に浮かぶようではありませんか?
(実際、元の絵となっていた可能性のある作品がいくつか思い浮かびました)
それらも含めて、私が絵や写真に対してもっているイメージってなんだろう?とか、私はそれらの作品の何を見ているんだろう?と考えさせられた展示でした。
ちなみに、武田さんの作品は初日に完売したそうです。
これだけ手間のかかる作品なので、次回の個展はいつになるのやら。。
今回、会期終了ぎりぎりで武田さんの作品を見られたのはラッキーでした。
(青い日記帳のたけさんに感謝感謝)
↓武田鉄平さんの作品集。値段が値段なのでちょっとハードルが高い。。でも欲しいなあ。
↓白石一文さんの小説の表紙にも使われています。