美術系のブログの更新が滞っているのですが、それはブログを書くのが追い付かないぐらい見ているからです。。
もう終わってしまっている展覧会も多数あるのですが(すみません)、先月今月見たもので印象に残っているものをできるだけ書いていきたいと思います。
これ、すごくよかったです。
想像以上によくて、展覧会を見終わったあと、打ちのめされました。正直なところ、安野モヨコさんの作品って、そんなに熱心なファンではないんですが、この展覧会は何というかマンガの枠を超えて、90年代0年代を生き抜いた女の葛藤の歴史というか。
安野さんの作品にはその時代の女の業や情熱みたいなものが焼き付けられていますからね。それを特大のパネルや美麗かつセンスよくまとめられた展示を含めて、ばーん!バーン!とたたきつけられる感じとでもいうか。
当時の感じていたものが蘇ってきて、安野さんと同世代の人(私だ!)はもう涙なくしては見られないほど。。
たぶん、今年のベスト展覧会ぐらいに感動した展覧会でした。
もう、冒頭がこれですよ。安野さんの幻の傑作(自伝)、よみよまの主人公の後ろ姿ですよ。「よみよま」は安野さんの最高傑作ながら、単行本には掲載されていなくて、ほんと幻の傑作なんです。
これが冒頭に展示されていて、いきなり「うわーー!」と来るものが。
改めて展覧会で見ると、安野さんがいかに多様かつ充実した仕事をしてきたかがわかります。
さくらん。
安野さんがデザインした着物。
美麗でした・・。
ササっと書いたであろう、モノクロのイラストの美しいこと、うまいこと。
これなんかもセンスいい。
安野さん、昔のカラー原稿より今のカラー原稿の方が格段にうまいと思います。
懐かしの働きマン。名言です。
世田谷文学館のこのお座敷スペース。毎回展覧会でどう使われるか楽しみなんですが、安野さんはおチビさんの展示に使ってました。落ち葉を使った演出が素敵だったなあ。
大好きな監督不行届
出ました名言!
「よみよま」の原稿。フルボリュームで展示されていました。涙涙・・。
よみよまは、今回の展覧会のカタログにフルで掲載されています。
めちゃ充実したカタログです。おすすめ↓
「よみよま」は中身を読んでいただければわかるのですが、もう、こんな家庭で育った安野さん、キツ過ぎでしょ?10代で家族の家計を支えないといけないってどういうこと?と結構ショッキングな内容で。たぶん精神的にもかなりキツい時期に描かれたのではなないかと思います。
展覧会の最後は安野さんがマンガを描いている姿(自画像)で締められています。
これもよかったなあ。
大好きな「鼻下長~」のカラー原稿。
安野さんの心が壊れるまで描きまくったマンガ。観てるだけでヒリヒリような描写。展示が本当にうまくて、しびれました。
たぶん、今年のベスト。
本展は、仙台文学館へ巡回中。お近くの方はぜひ!
安野モヨコさん、コアはファンではないけれど、好きな作品はたくさんあるんですよね。
「鼻下長紳士回顧録」
傑作食エッセイ「くいいじ」
思わず買ってしまった、最新作「後ハッピーマニア」
やっぱり面白かったです・・。
そして、後日入手したジブリのフリーペーパー「熱風」9月号。
この「熱風」に掲載されている安野さんのインタビューがめちゃ面白かったので、ファンの方はぜひ!
(書店での配布が終了していたので、メ〇カリで買いました)